TOP > 【紀州南高梅辞典】紀州南高梅・梅干について
紀州南高梅は、梅生産量日本一を誇る和歌山(紀州)を代表する品種で、梅の最高品種とされています。読み方は一般的に「なんこう
ばい」とされていますが、地元では「なんこううめ」と呼ばれることもあります。その特徴は大粒で肉厚、そして梅干にするととろけるように柔らかいんです。2006年には地域団体商標の第一弾として地域ブランドの認定を受けました。名前の由来は地元の南部高校(みなべこうこう、通称:南高)からきています。明治時代、旧南部川村の高田貞楠氏が自園の梅から選定した品種(高田梅)が、昭和に至り当時の南部高校の教諭であった竹中勝太郎氏の調査の結果、「最高品種」と判明し、「南高梅」と名付けられたんだそうです。
2月中旬になると、和歌山県の紀南地方の梅林では梅の花が開花しはじめます。一方その頃、梅農家の人達は、結実の準備をはじめます。梅は自家受粉ができない植物なので、ミツバチを使って受粉させます。 |
気候が春めいてくると梅の花は散り、入れ替わるように可愛らしい小さな梅の実が顔を出します。暖かくなるにつれ梅の実も大きくなり、農家の人達はその状況を毎日チェックしながら収穫の準備をはじめるのです。 |
完熟して黄色くなった梅は、いよいよ収穫の時を迎えます。収穫方法は「拾い梅」と言って、樹の下にネットを敷き、完熟して落下した梅を手で拾い集めるというものです。忙しい時には作業が深夜にまでおよぶ時もあります。 |
選別・洗浄された梅は、たっぷりの塩をふりかけられ、漬け込み槽に入れられます。2〜3日すると実の中の水分を出し、それが梅酢となって梅はその中で約1ヵ月もの間熟成されていくのです。 |
そうして漬け込まれた梅は、梅雨明けの7月下旬から3〜5日程度天日干しされます。梅の実全体にまんべんなく日光を当てなければならないので、毎日一粒一粒ひっくり返す作業をおこないます。 |
土用干しで出来上がった白干梅は、写真のような樽に詰められて、梅農家から梅干工場へと移されます。そこで再度入念に水で洗浄され、脱塩槽にて余分な塩分を除去・再選別をおこないます。 |
次に約1週間ほど調味液に漬け込まれ、はちみつ梅やかつお梅、しそ漬梅などの各種梅干へと調味されてゆきます。こうして梅干は新しい味と結びつき、よりおいしい梅干へと生まれ変わってゆきます。 |
紀州南高梅は他の梅と違い、非常に果皮が柔らかくつぶれやすいため、機械ではなく、一粒一粒人の手で箱詰めしなければなりません。そうして箱詰めされた商品がお客様の元へと出荷されてゆきます。 |
このように色々な行程を経て、やっとお客様の元へと届くわけです。さぁ、届いた梅干の蓋を開けて、まずは香りを…そして口に入れ、紀州南高梅のとろけるような柔らかさと美味しさをお楽しみください。 |